GOOD DESIGN AWARD2025年度受賞
株式会社中央住宅
戸建分譲設計本部 設計一部
プロデューサー:品川典久
ディレクター:稲垣有以知
デザイナー:椎名愛子、小口萌恵、内田貴則、宮崎俊信、森田正己、池ノ谷崇行、佐久間幸生、新井脩介
コンセプト
変わりつつある地域の持つ歴史的原風景を次世代に残すための全4邸の新築建売住宅。2010年に始まった「越ヶ谷蔵のあるまちづくりプロジェクト」の第4章。古民家再生ではなく新築建売住宅で地域の景観を守り資産価値をあげていく提案。
今へと繋がるシンボリックな和の情景
特徴
街の中に住民同士のコミュニケーションの場にもなる共有地をつくる
和の情景をつくる外構素材①「外部格子」
和の情景をつくる外構素材②「ささら子押縁」
和の情景をつくる外構素材③「大和フェンス」
埼玉県越谷市は旧日光街道が通る宿場町。かつては商店も建ち並び賑わいをだしていた。また土蔵つくりの蔵や旧家が日光街道の名残を残し越谷の原風景となっていた。しかし、時代の流れと共にそれらの古民家・蔵は取り壊され今では28棟まで減少してしまった。越谷の歴史的建造物を残し、地域の歴史を次世代に継承する目的ではじめた「越ヶ谷蔵のある街並みプロジェクト」では2棟の蔵と1棟の旧家を補修し商業施設としてよみがえらせ地域活性の拠点となっている。商業施設だけではなく新築住宅として地域の景観を取り入れ既存の街並みに調和した空間をつくることを目的とした。
1. 地域資源である原風景を次世代に残すための住宅の提案。
2. コストのかかる古民家再生ではなく新築分譲で行う地域活性化の拠点。
3. 地域に人を増やすためにまとまった棟数で建築し景観保全のランドマークになる住宅を提案。
和風というテイストにするだけではなく、地域の方、古民家の専門家の意見を取り入れ越谷の歴史を表現した建物を建築した。瓦屋根、塗り壁、千本格子、ささら子押縁の外壁等かつて越谷市内の旧家で取り入れられていた景観を現代の素材で表現した。今回の敷地は交差点に面する場所になることもあり朝夕の渋滞する箇所になる。道路に面してカースペース位置を設定してしまうと各住戸の車の出し入れが非常に不便になってしまう。開発道路をいれるほど敷地の余裕がないこともあり地役権を設定し共有地を設定し車の出し入れに配慮した。下屋、大屋根共に軒を出したデザインにするためビルトインガレージとして1階を大きくし下屋根を大きくとれるようにしている。また、共有地では住民同士のコミュニケーション創出の場となるような空間を設けた。
審査員評価
関東郊外の地方都市における、歴史的地域特性を尊重し高めていくことを意図した、ミニ開発および建築様式の提案である。地場の事業者はこれまでも古民家や蔵を保存改修するプロジェクトも実施してきた経歴があるが、今回の住宅はより一般的であるがゆえに、普及効果も高い。一般的な住宅・ミニ開発を対象にしたところに、本気で地域文化を保持していく覚悟を見るように思う。増えていくべき地域開発の形態であり応援したい。
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