文部科学省研究開発局地震・防災研究課の報告によると、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率は70%、50年以内では90%と予測されています。いつ来るかわからない地震だからこそ、いつでも家族が安心して暮らせる家に住みたいものです。今回は住宅の耐震基準について解説します。
耐震基準とは建築基準法や建築基準法施行令などで定められた、建築物に対する基準です。人命を守るために最低限クリアすべき基準で、1923(大正12)年の関東大震災をきっかけに市街地建築物法が改訂されたのが始まりです。耐震基準は災害が起こるたびに基準が改定されてきましたが、1978(昭和53)年の宮城県沖地震を踏まえて改定された1981(昭和56)年の前後で「旧耐震基準」、「新耐震基準」に分けられます。現在では、住宅性能表示制度や耐震等級などを新たに定めた「2000年基準」をもとに住宅が建築されています。
日本で新築住宅を建てる際は、家の素材や工法に関わらず耐震基準を守る必要があります。
2024(令和6)年1月1日に石川県能登地方で発生した「令和6年能登半島地震」は記憶に新しいですが、過去10年で震度6を超える地震は頻発しています。
巨大地震は全国各地で起きています。また、巨大地震は朝昼晩といつ起きるかもわかりません。高水準の耐震性は、家族の命を守るために大変重要なポイントです。
一方で、2階建以下の木造住宅は法律で義務付けられていません。現行の建築基準法では、「壁量計算」などの簡易な計算と「仕様規定」に定められた構造安全性を確認すれば確認申請が通るため、住宅の強度はハウスメーカーが耐震にどれだけこだわるかに委ねられています。
「ウッド・イノベーターNEXT」とは、家を建てる『前』に大地震を想定した3Dシミュレーションを行う、ポラスが独自開発したシステムです。住宅の図面をもとに、実際の家をパソコン上で再現し、そこに実際に起きた大地震と同じ揺れや負荷を加えることで、建てる前に家の強度をリアルに検証することができます。過去の大地震を想定したシミュレーションを行うことで、地震に強い住宅を実現。一邸一邸、お客様の家の耐震性を見える化することができます。
ポラスは全棟構造計算を行うことで弱点のない設計を行います。基礎から構造まで一貫した立体解析を全棟で実施しています。家全体の力の伝わり方を把握することで、適切な位置に耐力壁を配置できるため吹き抜けや広いLDKなどの自由な間取りが可能です。
ポラスは1969(昭和44)年の創業以降、徹底して地域密着にこだわってきました。半世紀を超える歴史の中で積み重ねた地盤データは6.3万件以上と、耐震性における重要な要素である地盤の把握に定評があります。ポラスでは徹底的な地盤調査を行い、家の間取りや規模による地面への荷重を計算し、荷重に耐えられる地盤改良を実施します。家を支える地盤を整え、構造的に強い家を組み立てるこの2つを軸にすることで、本当の意味での「地震に強い、安全な家」がつくれるのです。