GOOD DESIGN AWARD2020年度受賞
株式会社中央住宅
戸建分譲設計本部 設計一部
デザイナー:野村壮一郎、府川哲大
南浦和の4邸の分譲住宅。互いの敷地の一部を拠出し共用の街路を創出。景観形成のコアとして設計することで風景を共有し小さな街をつくるプロジェクトです。
街路への開き方を4邸一体で設計し、互いの目線の交錯を避けながらコミュニティを形成。複数邸の家と街区の構築において「共助設計」という考え方を提案しています。
本件のような都市部の分譲開発において豊かな住環境をつくるには、敷地を拠出し合うことで犬走部の未利用地化を防ぎ、景観形成と敷地利用の促進が必要だと考えました。この街づくり手法が分譲住宅の互いの境界線との新たな関わり方の提案となることを意図しています。
特長
緑の小道を形成する犬走部の共用街路
多方向避難路を創出しレジリエンスを叶えるランドスケープ
石の広場を街の中心に配した地役権設定による街並
広場と緩やかにつながる家の中の中間領域
インフラ未整備の北道路区画の2棟の排水用地を分断せず抱き合わせとし、4邸の中心に配置。南道路2区画の排水用地沿いの一部と、排水用地の延長部となる北道路2区画の犬走り部に地役権を設定し、4邸の相互通行を叶える街路状の空間を街の骨格として創出し多方向避難路を確保しました。また排水用地部は広場、犬走り部は緑道と、2つの異なる機能を持たせました。
各住戸のアプローチや開口部を共用街路に開きつつずらすことで、直接的な視線の交錯を避けながらコモンアクセスを実現させコミュニティ醸成につなげました。また、南側住戸のバルコニーを下屋根と捉え共用街路向きに配置し、北側住戸の犬走り部へ陽光を提供しています。さらに広場沿いの住戸には中間領域となるテラスや土間を設計する等、街路とのつながりを緩やかにする設計を行っています。
共用街路の地役権設定部の地表面被覆を天然石敷で統一し権利形態を明示しました。また広場空間には造作ベンチ、緑道部には紅葉樹や果樹を配し季節感を演出する等、ゾーンにより異なる風景を4邸で共有することで小さな「街」を形成するようにしています。
審査員評価
4戸の分譲住宅地の中心に、コミュニティ形成の場ともなれる共有の街路をつくり出した点が評価された。北側にあるインフラ未整備道路に接する住宅のための排水用地をうまく活用している。通常であればフェンスで囲まれて使われない土地を、コミュニティに還元して、住む人が憩える場をつくったのは、今後の類似した開発における参考事例になり得るであろう。各住宅の街路への開き方も、お互いに直で視線が合わないようによく考えられている。
GOOD DESIGN AWARD
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地域連携とインテリアの発信モデル
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農を軸とした地域交流型分譲住宅
路地のある分譲住宅
GOOD DESIGN AWARD
グッドデザイン・ベスト100選出
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敷地の裏側に路地空間を創出
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地域活性プロジェクト