GOOD DESIGN AWARD2020年度受賞
株式会社中央住宅
戸建分譲設計本部 設計一部
デザイナー:野村壮一郎、古垣雄一、角張泰広、上田亮
※㈱モリアン・全国森林組合連合会・東京大学大学院薬学系研究科と共同受賞
産学パートナーシップを組み、開発した国産杉の有効活用と快適な住空間の創出を同時に叶える内装壁パネル。従来避けられがちだった材芯の赤身部分をデザインに採り入れ、低温乾燥によりフィトンチッド残存率を高める等、意匠と機能を両立。科学的根拠を基にユーザーに快適性向上を示すことで、住空間での活用を促進しています。
(株)モリアン、全森連、東京大学大学院との4団体の協働体制を構築。多くは燃料材として燃やされている国産杉の心材部分の建材利用向上を図り、低温バイオジカル乾燥を基軸に事業的・学術的・環境的視点を持って開発した、芳香効果と個性の豊かなデザインパネルです。
特長
杉の質感と香りに包まれる森林浴リビング
空間のアクセントとなる木箱のキッチン
フィトンチッドによるリラックス効果のある空間
鎮静効果により快適な睡眠をかなえる森の寝室
杉の芳香成分フィトンチッドには鎮静効果があることが知られていますが、科学的根拠を得るために東京大学薬学系研究所で杉材チップを使ったマウスの脳波測定を行い、睡眠の質と時間の増加のデータを開示することを前提としました。また、嗅覚による測定で材の乾燥方法により芳香量が異なることがわかり、従来の100℃前後の高温乾燥ではなく45℃以下の低温バイオロジカル乾燥を全森連の選定材に建材メーカーのモリアンが行い、芳香成分の元である精油分と色・艶を木材に留めることを優先しました。
デザインは中央住宅とモリアンが中心となり、表面積を多く取るボーダー加工を採用し赤身の強いキャラクターを立体感で程よく吸収しながら導管と年輪の柄を露出させ、効率的に芳香を放出させる複数のパターンを考案。年輪の間隔は「1/fゆらぎ」といわれ、木目の特徴と芳香効果が相まって癒しの空間を創出し、香りある住空間を住まい手に提供します。
既存の杉建材の分野では安定した外観を重視するため、節の少ない辺材の白太部分を多く使い、芳香成分が多い心材の赤身部分を避け、安価な高温乾燥による商品が展開されてきました。しかしこの新建材は杉材全体の利用を目的に、香りを残す乾燥法の採用とともに掘り込み加工形状を複数パターン設計し、白太と赤身の色柄が持つ個性と不規則さを活かすデザインを考案し、燃料材として燃やされていた赤身部分に個性ある外観という価値を付加しました。
審査員評価
スギ本来の色味や表情を活かした壁面意匠材は、国産杉の有効活用としても貢献している。意匠面だけでなく、低温乾燥により杉の芳香効果を高める等機能性にもこだわった点が評価された。意匠面での更なる展開にも期待したい。
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