『北習志野「街×IoT」プロジェクト』

GOOD DESIGN AWARD2018年度受賞

地域資源の活用による
地域活性プロジェクト

地域資源である
古民家(はかり屋)の
保存・改修から盛り上げる
越谷まちづくり

株式会社 中央住宅

江戸時代から残る古民家を再生し、
個性的なテナントが集結する
「はかり屋」
幅広い世代から支持され、
地域へにぎわいを創出し続ける、
新しい地域交流拠点に

かつては栄えた埼玉県越谷市の旧日光街道沿いに建つ、古民家や蔵などの歴史的建造物も、世代が代わることにより取り壊されることが多くなってきました。その中で、江戸時代から残る古民家を再生し、個性的なテナントを集め、新たな賑わいを作っていくことを目指したプロジェクトが、古民家複合施設「はかり屋」です。2018年4月にオープンし、食からインテリア、癒しやクリエイティブスペースなど多彩なジャンルのお店6軒が集まり、多くのお客様が訪れるようになっています。永く運用されるために、建物オーナーと事業者をスムーズに結びつける仕組みとして「行政」「民間」「地元団体」が一体となった「越ケ谷まちづくり会社」も設立。古民家施設に元気な地元事業者を集めています。

通り土間から見たはかり屋

通り土間から見たはかり屋

多目的スペースNAYA

多目的スペースNAYA

キッシュの専門店minette

キッシュの専門店minette

特長

コンセプトは、
人々が集い、賑わう場所。
地域資源の活用による
地域活性プロジェクト。

  • 旧日光街道から見たメインゲート

    旧日光街道から見たメインゲート

  • 通り土間

    通り土間

旧日光街道の3番目の宿場町として活況を呈した越谷。往時は、1キロにわたって商家が建ち並んでいました。今もその名残はあり、20棟近くの蔵や古民家が残っています。その中で「はかり屋」は、明治38年に建てられた堂々たる商家で、表土間の他、敷地奥の居住空間につながる通り土間、土蔵がある明治時代の商家の代表的建造物です。本プロジェクトでは、この地域の資産を活かして、新たな賑わいを創出することを目指しました。内外とも建築物の風情を残しつつ、格子戸や石畳、植栽を新たにする一方、耐震補強も実施。歴史的建造物を現代によみがえらせました。 当社では、この「はかり屋」に先立って街道付近でも蔵の改修を行なっており、そこは現在、市に寄贈され地域の交流拠点として活用されています。当社のこれらの取り組みは、地元にも波及しており、街道沿いには、お洒落なベーカリーや子ども食堂も作られ、街道沿いの活気が徐々に取り戻されようとしています。

審査員評価

新築マンション建設や住宅地開発などにおいて、デベロッパーや建設会社等が地域コミュニティー形成を謳う事例は数多くある。しかしながらそのほとんどが販売戦略として考えられたものであり、真のコミュニティー形成を目的としているものは残念ながら多くない。このプロジェクトは古民家を改修して街づくりの拠点にするという、地に足のついた活動。行政、商工会議所、地元自治会、NPO団体等と連携し、「越ケ谷まちづくり会社」を設立している点も評価のポイントとなった。