GOOD DESIGN AWARD2022年度受賞
株式会社中央住宅
戸建分譲設計本部 設計一部
デザイナー : 古垣雄一、菅原雄太
従来の都市型分譲住宅では、隣棟間隔が近いため風通しが悪く、日の当たらない庭や使い道がない空間が生まれやすくなる。そこで、隣地との境界、敷地の裏側に着目し、日本古来の路地空間のような共用スペースを創出した。
路地は、各敷地の一部を地役権により供出。路地沿道にはコミュニティの醸成を促すよう、連続した緑の空間を創り出した。物理的な共有スペースの供用ではなく、人と人の出会いのある街づくり、路地空間を拠点に地域と人をつなぐ仕掛けとしている。
①歩車分離による子どもの安全な居場所の確保
②アプローチ ・ 生活の向きによる顔を合わせやすい距離感
③夏場は木陰になり冬場は陽光を取り込む植栽計画
④狭さが生むちょうどよい距離感
⑤植栽によるプライバシーコントロール
路地裏空間のような共用コミュニティスペースの創出
特徴
歩車分離による子どもの安全な居場所の確保
ステークホルダー含めたコミュニティ形成
造園業者による植栽選定ワークショップ
くぼみによる開放感の創出
従来の街づくりでは建築基準法、地区計画等の制限により敷地の各所に用途のない犬走空間が生まれてしまう。各住戸が土地を拠出し合うことにより街を横断するように路地を計画することで敷地を最大限に利用。路地にベンチ、家庭菜園スペースを配し、そこに近隣農家による食育プログラムを構築。住まい手のコミュニティ形成のみではなくステークホルダーを含めたコミュニティ形成を図り、路地を中心にした街づくり・暮らしづくりをしたプロジェクトである。
植栽とエクステリアの素材を変え、相互で楽しめる計画とした。花の咲く時期、紅葉の時期、落葉の時期をずらした植栽計画で1年を通して楽しめる。実のなる樹の種類も変えることで収穫した実を住まい手同士で交換したりし、コミュニティ形成を促進させるツールとして認定。2本の路地は物理的につながっていないが、街全体で一体感を感じる仕掛けを施した。
従来の都市型の分譲地は、隣り合っているのに顔を合わせる機会が少なくなり希薄なコミュニティになりがちである。アプローチ計画と生活の向きを路地空間に向けつつ植栽により視線をコントロールすることでプライバシーを守りながらちょうどよい距離感で顔を合わせる路地空間を形成した。また四方が道路に囲まれている為、子どもが安全に過ごせる場所が少ない。路地状空間を学び・遊びの体験をできる場にし自分の住まいの庭以外にも安全に過ごせる場所を創出した。
審査員評価
住居個別の独立性を重視したこれまでの戸建分譲に対して、”コモン”のデザインによって魅力や価値をどう生み出すか。そのためのひとつのアプローチが上手に展開されたプロジェクトだ。人間にとっての「路地」の意味に着目して「裏の空間」を活かす発想は、将来の住環境提供を視野に入れた事業開発の効率面からも、経営的にもポジティブな解となっている。その空間的な設え・デザインには工夫がなされ、それ自体は小さなスペースの意味と価値とが最大化されていることに注目したい。
GOOD DESIGN AWARD
奥庭のある分譲住宅
地域連携とインテリアの発信モデル
GOOD DESIGN AWARD
農を軸とした地域交流型分譲住宅
路地のある分譲住宅
GOOD DESIGN AWARD
グッドデザイン・ベスト100選出
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GOOD DESIGN AWARD
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低温乾燥方式による国産杉パネル
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