シェアコートのある住まい ワンリンク西大宮 紡ぎの街区

GOOD DESIGN AWARD2019年度受賞

4軒で互いに「土地」を分かち合う

シェアコートのある住まい
ワンリンク西大宮
紡ぎの街区

株式会社中央住宅
戸建分譲設計本部 設計二部
デザイナー:蕪木孝典・日山麻子・椎名愛子・後藤紀子・藤田哲也

「シェアリング」という概念を
住環境づくりに持ち込み、
4軒の一戸建て分譲住宅で
それぞれの「土地」を
分かち合うシェアコート。

一体的に計画された、4軒の一戸建て分譲住宅地です。昨今、注目されている「シェアリング」という概念を住環境づくりに持ち込み、これまでの1宅地1建物の完結形とは異なる、共用型コモンスペース(=シェアコート)を核とした住環境を提示しました。
隣地との敷地境界について着目し、土地の区画から建物の間取りまでを一体的に計画することで、ゆとりある住環境を創出、通常なら無駄になってしまうスペースも有効活用することが可能となり、当街区ならではのパークライクな街並みを実現しています。

街区夕景

街区夕景

特長

コンセプトは、「土地」を
分かち合いから、
次世代コミュニティの創出へ

  • 全体配置図

    全体配置図

  • シェアコート全景

    シェアコート全景

  • デザイン


    1. 一般的な一戸建て住宅の計画では不可能な敷地の有効活用により、豊かな居住空間を実現しました。
    2. 従来のコモンスぺ―ス型戸建分譲において曖昧であった土地の権利形態を、地役権を用いて整理。持続可能性を担保しました。
    3. シェアコートと駐車場の明確な分離、各住戸との緩衝緑地の設置、シェアコート経由で各住戸にアプローチする導線計画等を施し、各住戸の適度な距離感が保てるよう配慮しました。
  • 提案


    一戸建て住宅における隣地との境界に着目し、家族と地域の適度な距離感や、関わり方の最適解を提示しました。これまでのコモンスペース型の戸建分譲事例の多くは、コモンスぺ―スを持ち分割合により共有名義で保有しており、権利を折半しているので、将来的な自由度が限られてしまいます。
    地役権を用い、「共有から共用へ」と発想を切り替えることで、将来的な建て替えのニーズにも対応できる持続可能性を実現しました。
    このシェアコートを核に、これまでの計画手法を見直した一体的な計画により、シェアコートならではの佇まいを具現化しています。これは、新しい地域コミュニティの形を実現するだけでなく、戸建分譲住宅地ならではの可能性を示唆しようとするものでもあります。

審査員評価

明快な目的意識のもと、地役権を含めた敷地デザインを行っていることが評価された。更に、その目的意識が空間化され、特徴のある内外空間を実現していることも高く評価された。シェアコートに面して各住宅内の共用部を配置し、開口部の工夫によって、プライバシーと開放性のバランスを図っている。4軒で中庭状の空間を創出する応募作は多数あったが、内外空間が連動するものはごく少数であった。また、シェアコートと更にその外側の街路空間との間が閉鎖的でないことも評価された。