風と緑のまち 白岡

GOOD DESIGN AWARD2018年度受賞

クールアイランド創出型住宅街

風と緑のまち 白岡

株式会社 中央住宅

埼玉県「先導的ヒートアイランド
対策住宅街モデル事業」の
第1号事業に採択された
環境フラッグシップとなる街づくり

ヒートアイランド現象の著しい埼玉県において「県・事業者・住まい手」の3者で、街づくりや暮らしづくりによるヒートアイランド対策を講じることで、周辺地域へのクールアイランドを創ることを意図した実験的な街づくりです。気象解析により把握した地域の卓越風・有用風を活かす街区シミュレーションによる一次設計、地表面の保水・遮熱・植生化と街の緑化により気化熱冷却を促進する二次設計、壁面緑化を採り入れる住まい手の生活設計により、夏期の街区温度を下げることに寄与。埼玉県「先導的ヒートアイランド対策住宅街モデル事業第1号」に採択され、以降の他業者・他事業への展開など面的な広がりを担う、地域の環境フラッグシップとなる街づくりプロジェクトです。

特長

コンセプトは、
地域の環境改善を先導する
クールアイランド創生と
育成をデザインした街づくり

  • 自動散水システム

    自動散水システム

  • 装飾菜園

    装飾菜園

  • ハーブマット

    ハーブマット

  • 計算された緑が成熟したクールアイランドの街並

    計算された緑が成熟したクールアイランドの街並

作り手だけの想いにとどまらず、「県」・「開発事業者」・「住まい手」の3社が、「街づくり」「暮らしづくり」を通してヒートアイランド対策を講じ、周辺地域へのクールアイランドをつくることを意図した実験的な街づくりです。

  • 5つの前提設計


    ①風の設計
    夏季の卓越風の流体解析をもとに、区画、配棟間隔を決定。隣棟間隔1.8m以上。
    ②環境素材の設定
    開発道路の保水化、カースペースの保水・遮熱・緑化、敷地緑被率15%等。
    ③水の活用
    雨水タンクやセンサー式自動散水装置を導入。打ち水効果や植栽の蒸散作用を向上。
    ④緑の醸成
    高木による日射遮蔽スポットの他、ポタジェ、緑のカーテン、緑化フェンスを導入。
    ⑤建物の計画
    自動小屋裏換気システムや採風設計による窓設定、調湿効果の高い自然素材を採用。

審査員評価

住宅団地を緑化することで、街区のみならず周辺を含む広域の環境を改善しようとする意欲的なプロジェクト。クールアイランドを実現するために、風解析や材料選定から住戸平断面計画に到るまできめ細やかに検討されており、技術的根拠をもって実践されているところが興味深い。またこの緑化によって、環境改善だけでなく、景観形成やコミュニティの促進が期待できる点も高く評価したい。一つ一つは小規模な緑化であるが、面的につながることで、クールアイランドが広がっていくことを期待する。