蔵のある 街づくりプロジェクト

GOOD DESIGN AWARD2015年度受賞

既存の蔵を利用した新築分譲住宅

蔵のある
街づくりプロジェクト

ポイント

再生した江戸末期の蔵と新築4邸の分譲地。今では入手困難な材、匠の技法など、歴史的価値の高い建物の一部を現在の素材と融合させ、歴史ある雰囲気をデザインにも取り入れています。

背景・意義

越谷市は埼玉県でも最大規模を誇る宿場町であったため、旧日光街道には蔵や古民家のある風景が点在しています。古くからある建築物を補修し、住宅の一部として利用することで、土地の持つ魅力を未来へ伝えるという意義を持って開発しました。効率性や低価格化の理由で、地域の持つ魅力や元からあった街並とは乖離した姿になることが多い中、地域密着型のポラスグループは積極的に街並保全を続けていく重要な役割を担っています。

特長

コンセプト

歴史ある建物を積極的に利用し活用する仕組みを作ることで、地域の風景を未来に残していくことを目的としています。
新旧の織り成す原風景を周辺の街に広げていき、新たな付加価値を生み出します。行政と連携を図り、蔵を事務所スペースとして貸し出すことで街のコミュニティの場としても運用できる仕組みを構築しました。

  • 地域文化を醸成させるため、永く愛される仕組みづくりを提案した全4邸の新築一戸建て分譲住宅

    地域文化を醸成させるため、永く愛される仕組みづくりを提案した全4邸の新築一戸建て分譲住宅

  • 御影石を再利用しコミュニティを育むテラスを設置

    御影石を再利用しコミュニティを育むテラスを設置

  • 蔵の中にある事務所スペース

    蔵の中にある事務所スペース

  • 江戸末期に建てられた蔵。状態のよい内蔵を保存し、一部の構造部材などを新築4邸の内装材として再利用

    江戸末期に建てられた蔵。状態のよい内蔵を保存し、一部の構造部材などを新築4邸の内装材として再利用

  • 郷土愛を育むことを目的に、地元の小学生が蔵ごと持ち上げて別の場所に移す「曳家」を体験

    郷土愛を育むことを目的に、地元の小学生が蔵ごと持ち上げて別の場所に移す「曳家」を体験

審査員評価

江戸末期に建てられた蔵を曳家によって移動し、再生することで、豊かな街並みへの貢献と同時に、新築4邸の分譲住宅地の目玉として付加価値化したプロジェクトである。ビジネスの目線と街並みへの貢献意識を両立させたことが素晴らしい。