コラム:住宅編vol.3 次世代の省エネ仕様で水道・光熱費はお得に!

渡辺圭彦(わたなべ・きよひこ)

渡辺圭彦(わたなべ・きよひこ)
1970年生まれ。扶桑社「住まいの設計」編集部に勤務後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント」(週刊住宅新聞社)「住まいの進路相談室」(扶桑社)など。Web上にて「住宅ライターの家づくり奮闘記」連載中。

2020年には
すべての新築住宅が省エネ化

CO2削減、省エネは現在、地球規模での課題です。日本でも国策として住宅の省エネ化を推進しており、2020年にはすべての新築住宅で平成25年に改正された省エネ基準への適合が義務づけられることになっています。これまで、「省エネ住宅」というと特別なオプションとしてとらえられてきましたが、これからは当たり前の仕様となるわけです。

従来の「省エネ仕様」は、屋根や外壁など建物の外側における断熱材やサッシ・ガラスの性能などで判断されてきました。しかし、今後の基準となる平成25年改正省エネ基準では、その性能の計算方法が変わり、さらに冷暖房や換気、照明、給湯など建物内で消費されるエネルギーや太陽光パネルなどによる発電量なども評価に加味されることになっています。

そして、そうした平成25年改正省エネ基準を標準とした住宅を促進するための、税金やローンの優遇措置として、長期優良住宅制度や認定低炭素住宅制度が施行されており、2015年には省エネ住宅ポイント制度もスタート。一定の住宅性能を満たす仕様を採用することでポイントを獲得でき、商品、商品券に交換することができます(仕様、期日に条件があります)。

これからの家づくりは、建物自体が高い断熱性能を装備していることに加えて、太陽光パネルなどの創エネ設備、効率の良い給湯器や高断熱サッシなど、省エネタイプの設備・仕様が必須となっていくのです。

創エネ・省エネの
設備機器で光熱費削減

「創エネ」とは電気や熱など生活に必要なエネルギーを発電所に頼らずに戸別に生み出す設備のことです。主なものに太陽光発電システムがあります。太陽光発電システムは太陽の光を直接電気に変換し、自宅用電力として利用できるほか、余った電力を電力会社に売ることもできます。また災害時には補助電源としても機能することから、近年は標準仕様として採用される例が増えてきました。

平成20年の環境省の調査では、家庭におけるエネルギー消費は「給湯」(39%)が最も多く、次いで「照明・動力(電化製品)」(35%)、暖房(24%)、冷房(2%)となっています。家庭でのエネルギー消費を少なくするには、冷暖房、給湯、照明などに省エネタイプの設備を導入することが効果的なのです。

給湯では、空気中の熱を集めて熱に変えるヒートポンプ技術を使った「エコキュート」が一般的ですが、これまで無駄にしていた排熱を利用し、効率よくお湯を作る潜熱回収型給湯器「エコジョーズ」なども登場し、選択の幅が広がってきています。

照明では、LEDへの切り替えが急ピッチで進んでいます。一般的にはLEDの消費電力量は白熱電球の1/4~1/5といわれており、電力の変換効率を見ても発熱してロスすることも少なく、最大で34%と蛍光灯の25%や白熱電球の10%と比べても非常に節電性の高い設備です。白熱電球の寿命は1,000~2,000時間、蛍光灯の寿命は6,000~12,000時間程度といわれていますが、これに対してLEDの寿命は4~6万時間。トータルで見れば白熱球や蛍光灯よりも光熱費を大幅にコストダウンできます。

住宅の熱が逃げやすい開口部の仕様も重要です。樹脂サッシやアルミ複合サッシなど断熱性能の高い窓枠に、太陽の日射熱を遮る性能や室内の熱を逃がさない性能を持った複層ガラス(Low-Eガラス)を採用する例が増えてきています。住宅の仕様をチェックする際は、これらの設備の内容に注目すると、ひとつの目安になります。

住まい方にも
ちょっとエコを意識して

ポラスの分譲住宅でも多くの分譲地で先進のエコ設備が導入されています。各分譲地ごとに導入されているエコ施設は異なりますが、給湯設備では、前出の排気熱を再利用して効率よくお湯をわかす給湯機器「エコジョーズ」を採用。ガス使用量を従来の約12%削減でき、待機時消費電力も従来の半分以下となります。また、見た目もコンパクトな上に、瞬間湯沸かし式なので、お湯切れの心配もありません。床暖房と組み合わせることで、部屋全体を均一に健康的に暖められるというメリットもあります。

階段付近の夜間照明には長寿命で省エネのLEDを採用。エアコンにはプラグを抜かずにスイッチを切ることで待機電力をカットできるエココンセント。毎日、こまめな節電を無理なく積み重ねることができるような設備が取り込まれています。

キッチンでポイントになるのは節電に加え、節水。センサーに手をかざすだけで操作できるタッチレス水栓のほか、手元灯にはタッチレススイッチを採用。こまめに水や電気をオン・オフすることで無駄な消費を抑えることができます。そのほか、浴室ではお湯が冷めにくい高断熱浴槽や、節水型トイレ、洗面台ではエコハンドル機能の水栓を標準とし、生活のあらゆるシーンで省エネを実現できる仕様に。それぞれの分譲地で導入されている設備について確認してみてください。

こうした住宅や設備の性能を十分に引き出すには、住まい方のちょっとした工夫も必要です。家族がなるべくまとまった時間に入浴したり、使っていない照明をまめに消したり。調光機能がある照明器具なら、適切な明かりに調整して、節電だけでなく生活シーンの演出として楽しんでみてはいかがでしょう。

エコ生活は「我慢すること」ではありません。ちょっとした無駄を省き、より快適に暮らすように心がけるだけでも、十分に達成することができるものなのです。

住まいのコラム 住宅編

後悔しない家選びのために、要望の優先順位を決める

完成見学会でチェックすべき点、気をつけるポイント

次世代の省エネ仕様で水道・光熱費はお得に!

外観や間取りが多様化。分譲地の中にも広がる選択肢

住み始めてからのメンテナンスは計画的に

住まいのコラム 子育て編

ゆとりあるママライフを実現する暮らし

子育て世代にやさしい住まい

幼なじみができる街に暮らす

家族とともに成長する住まい

“駅近”よりも快適な暮らし

コラム:住宅編vol.3 次世代の省エネ仕様で水道・光熱費はお得に!

渡辺圭彦(わたなべ・きよひこ)
1970年生まれ。扶桑社「住まいの設計」編集部に勤務後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント」(週刊住宅新聞社)「住まいの進路相談室」(扶桑社)など。Web上にて「住宅ライターの家づくり奮闘記」連載中。

2020年にはすべての新築住宅が省エネ化

CO2削減、省エネは現在、地球規模での課題です。日本でも国策として住宅の省エネ化を推進しており、2020年にはすべての新築住宅で平成25年に改正された省エネ基準への適合が義務づけられることになっています。これまで、「省エネ住宅」というと特別なオプションとしてとらえられてきましたが、これからは当たり前の仕様となるわけです。

従来の「省エネ仕様」は、屋根や外壁など建物の外側における断熱材やサッシ・ガラスの性能などで判断されてきました。しかし、今後の基準となる平成25年改正省エネ基準では、その性能の計算方法が変わり、さらに冷暖房や換気、照明、給湯など建物内で消費されるエネルギーや太陽光パネルなどによる発電量なども評価に加味されることになっています。

そして、そうした平成25年改正省エネ基準を標準とした住宅を促進するための、税金やローンの優遇措置として、長期優良住宅制度や認定低炭素住宅制度が施行されており、2015年には省エネ住宅ポイント制度もスタート。一定の住宅性能を満たす仕様を採用することでポイントを獲得でき、商品、商品券に交換することができます(仕様、期日に条件があります)。

これからの家づくりは、建物自体が高い断熱性能を装備していることに加えて、太陽光パネルなどの創エネ設備、効率の良い給湯器や高断熱サッシなど、省エネタイプの設備・仕様が必須となっていくのです。


創エネ・省エネの設備機器で光熱費削減

「創エネ」とは電気や熱など生活に必要なエネルギーを発電所に頼らずに戸別に生み出す設備のことです。主なものに太陽光発電システムがあります。太陽光発電システムは太陽の光を直接電気に変換し、自宅用電力として利用できるほか、余った電力を電力会社に売ることもできます。また災害時には補助電源としても機能することから、近年は標準仕様として採用される例が増えてきました。

平成20年の環境省の調査では、家庭におけるエネルギー消費は「給湯」(39%)が最も多く、次いで「照明・動力(電化製品)」(35%)、暖房(24%)、冷房(2%)となっています。家庭でのエネルギー消費を少なくするには、冷暖房、給湯、照明などに省エネタイプの設備を導入することが効果的なのです。

給湯では、空気中の熱を集めて熱に変えるヒートポンプ技術を使った「エコキュート」が一般的ですが、これまで無駄にしていた排熱を利用し、効率よくお湯を作る潜熱回収型給湯器「エコジョーズ」なども登場し、選択の幅が広がってきています。

照明では、LEDへの切り替えが急ピッチで進んでいます。一般的にはLEDの消費電力量は白熱電球の1/4~1/5といわれており、電力の変換効率を見ても発熱してロスすることも少なく、最大で34%と蛍光灯の25%や白熱電球の10%と比べても非常に節電性の高い設備です。白熱電球の寿命は1,000~2,000時間、蛍光灯の寿命は6,000~12,000時間程度といわれていますが、これに対してLEDの寿命は4~6万時間。トータルで見れば白熱球や蛍光灯よりも光熱費を大幅にコストダウンできます。

住宅の熱が逃げやすい開口部の仕様も重要です。樹脂サッシやアルミ複合サッシなど断熱性能の高い窓枠に、太陽の日射熱を遮る性能や室内の熱を逃がさない性能を持った複層ガラス(Low-Eガラス)を採用する例が増えてきています。住宅の仕様をチェックする際は、これらの設備の内容に注目すると、ひとつの目安になります。


住まい方にもちょっとエコを意識して

ポラスの分譲住宅でも多くの分譲地で先進のエコ設備が導入されています。各分譲地ごとに導入されているエコ施設は異なりますが、給湯設備では、前出の排気熱を再利用して効率よくお湯をわかす給湯機器「エコジョーズ」を採用。ガス使用量を従来の約12%削減でき、待機時消費電力も従来の半分以下となります。また、見た目もコンパクトな上に、瞬間湯沸かし式なので、お湯切れの心配もありません。床暖房と組み合わせることで、部屋全体を均一に健康的に暖められるというメリットもあります。

階段付近の夜間照明には長寿命で省エネのLEDを採用。エアコンにはプラグを抜かずにスイッチを切ることで待機電力をカットできるエココンセント。毎日、こまめな節電を無理なく積み重ねることができるような設備が取り込まれています。

キッチンでポイントになるのは節電に加え、節水。センサーに手をかざすだけで操作できるタッチレス水栓のほか、手元灯にはタッチレススイッチを採用。こまめに水や電気をオン・オフすることで無駄な消費を抑えることができます。そのほか、浴室ではお湯が冷めにくい高断熱浴槽や、節水型トイレ、洗面台ではエコハンドル機能の水栓を標準とし、生活のあらゆるシーンで省エネを実現できる仕様に。それぞれの分譲地で導入されている設備について確認してみてください。

こうした住宅や設備の性能を十分に引き出すには、住まい方のちょっとした工夫も必要です。家族がなるべくまとまった時間に入浴したり、使っていない照明をまめに消したり。調光機能がある照明器具なら、適切な明かりに調整して、節電だけでなく生活シーンの演出として楽しんでみてはいかがでしょう。

エコ生活は「我慢すること」ではありません。ちょっとした無駄を省き、より快適に暮らすように心がけるだけでも、十分に達成することができるものなのです。

住まいのコラム 住宅編

後悔しない家選びのために、要望の優先順位を決める

完成見学会でチェックすべき点、気をつけるポイント

次世代の省エネ仕様で水道・光熱費はお得に!

外観や間取りが多様化。分譲地の中にも広がる選択肢

住み始めてからのメンテナンスは計画的に

住まいのコラム 子育て編

ゆとりあるママライフを実現する暮らし

子育て世代にやさしい住まい

幼なじみができる街に暮らす

家族とともに成長する住まい

“駅近”よりも快適な暮らし