GOOD DESIGN AWARD2018年度受賞

IoT住宅による街づくり

『北習志野「街×IoT」プロジェクト』

(アドバンスドプレイス船橋・北習志野)

株式会社 中央住宅・ポラスガーデンヒルズ 株式会社

テーマ型のIoT住宅が集まり街単位で
快適性からレジリエンスを叶える
次世代型のコミュニティデザイン

この「街×IoT」は、千葉県習志野台の団地跡地を開発する91邸の分譲住宅地「アドバンスドプレイス船橋・北習志野」において、事業者と住民との協働で暮らしのIoT化を進め、「住まいを自分たちに合わせる」システムを骨格とした街ぐるみの取り組みです。外から家を管理するシステムを導入し、より確実な防犯・防災を叶え、事業者の一元管理によるメンテナンスサービスを共通プラットフォームとして関連付け、住民一体となった家の健全性と街のレジリエンス性向上を目指しました。
分譲地を「フィンテック」「ヒーリング」「サードプレイス」をテーマとした3つの街区に分け、街区毎に特徴あるIoT設計とプランニングを掛け合せた新しいライフスタイル提案を行っています。91棟の大型分譲地で、住まいのIoT化を進めるのは、全国でも先導的な事例となります。

特長

コンセプトは、一歩先を行く未来の快適性。人+家+地域が、IoTでつながる街

  • IoT×住まい


    スマートフォンやタブレットを活用し、外部から家を一元管理するシステムを導入しました。外出先からも玄関ドアの施解錠やシャッターの開閉の管理、お風呂のお湯はり、床暖房の作動などが可能です。更に外出用や帰宅用など機器をまとめてコントロールすることもできます。帰宅時間に合わせてエアコンや設備を操作することで、省エネ化も図れます。

  • 3つの街区


    1. フィンテック街区(37棟)のテーマは「HEMS×コンシューマーサービス」。標準装備のHEMSと提携金融機関のローン相談やFPサービスとを連動させることで、永住にふさわしい安定した生活サポートがなされます。このIoT街づくりをスタートアップと位置付けた街区です。
    2. ヒーリング街区(26棟)は、「健康(音×香・音×灯り)」がテーマで、IoT機器としてスピーカー付きダウンライトを標準装備。内装材には国産杉のオリジナルパネルを採用。天井からの心地よい音と香の他、デザインされた灯りによって癒しの空間を実現しています。
    3. サードプレイス街区(28棟)は、「第三の居場所×スタディスペース」がテーマ。土間や中2階など各棟ごとにスタディリビングを設計し、Wi-Fiアクセスポイントを標準装備。在宅ワークなどの「自宅のサードプレイス化」も視野に入れています。

審査員評価

IoTを使ったコミュニティ形成は、成果が出るほど時間が経っていないという意味ではとても実験的な取り組みだ。このような規模の開発でチャレンジしていること自体に価値がある。いずれは、開発とセットではない地域づくりにも応用可能になると、なお素晴らしいと思う。一方で、せっかく街を作っているのに、フィジカルな部分に対してあまり言及がなく、風景としての豊かさに対してどのような思想をもつのか、より明らかにすべきであろう。