地域の方が語る、まちの魅力 ~三郷市~
特定非営利活動法人MiKOねっと
「あらゆる年齢層の子どもたちが安心・安全に過ごせる街」になることを目指して
~今回、お話しいただいた方~
「特定非営利活動法人MiKOねっと」代表理事 工藤トモさん(左)と理事 西脇紀子さん
子育てやおやこ劇場の活動を通じて知り合い、「特定非営利活動法人MiKOねっと」の設立に携わる。子育てに関するさまざまな交流・学習事業を展開し、30年近く三郷市内で子育て支援に取り組んでいる。
この街の魅力、おすすめのポイントは?
西脇さん:「水と緑の街」を謳っている通り、自然が豊か。東京に近くて便利なわりに、のんびりしています。去年は野田のコウノトリの里で放鳥されたコウノトリが、半田の田んぼに飛来しました。市の南部は古くからの地域で、戸ヶ崎香取神社があり、古くから伝わる三匹の獅子舞が有名です。藍染の職人さんもいます。「日本一の読書のまち」事業で市が発行した絵本「ひっこしてきたさつきちゃん」では、三郷市のよいところが紹介されていますよ。
工藤さん:「東洋一」といわれる三郷インターがあるので、どこへでも出られるしどこからでも来られて便利。外環道も通っています。駅から近くて電車の便もよく、交通の便がいい街です。
――市内でお気に入りのスポットを教えてください。
西脇さん:「三郷市文化会館」とその隣にある「早稲田公園」ですね。「三郷市文化会館」は文化の殿堂みたいなところ。大きくて都心から近いせいか、いろいろなアーティストがツアー最初の公演を行うところです。水元公園の反対側にある「みさと公園」も素敵なところで、緑がきれいでいろいろな花が咲いています。
工藤さん:江戸川の近くには、ミカン狩りやブドウ狩りができる果樹園があります。市の特産は小松菜と葱でおいしいですよ。
県の委託事業から始まった子育てネットワーク
――「MiKOねっと」の歴史について教えて下さい。
工藤さん:プロの舞台を親子で観劇する「三郷吉川おやこ劇場」が出発点です。そこで西脇さんと一緒に活動していた時、越谷NPOセンターから、埼玉県委託の子育て応援事業に参加しませんかと劇場へ声がかかりました。その後任意団体を経て、2009年から「特定非営利活動法人MiKOねっと」へ法人化し、今年で9年目になります。現在の会員数は5団体・50家族です。
西脇さん:みさと団地の一角が子育て支援をテーマにリニューアルされたのに合わせて、私たちの事務所もここへ引っ越してきました。ちょうど、広場に面していて、近隣に幼稚園や保育所があるので、子どもたちをはじめいろいろな人たちが声を掛けてくれます。
――三郷市で30年近く子育て支援をされてきたそうですが、その原動力は何だと思われますか?
西脇さん:私たちの活動はずっと、「子育て支援」というより「子育ち支援」。子育てしているお母さんたちをサポートするのではなく、子どもたちの育ちをサポートしてきました。根本にあるのは、親子で一緒に観劇して感動を分かち合い、周りの人と一緒に地域活動をするというおやこ劇場の考え方です。
工藤さん:MiKOねっとも、自分たちの住む街が子育てしやすく、あらゆる年齢層の子どもたちが安心・安全に過ごせる街になることを目標に、子育て中のお母さんや支援者、行政が一緒に活動していくという姿勢を大切にしています。
地域の防災や子どもの学びにつながるイベントも
――街の変化などは感じられますか?
西脇さん:すごく便利になりましたね。「新三郷」駅のホームが昔は下りと上りが300メートル離れていたのがひとつになりましたし、その跡地が開発されていろいろな商業施設ができて。つくばエクスプレスの開業で、「三郷中央」駅もできました。三郷市は縦長の地形なんですが、縦に通る道が「三郷中央」駅を中心に整備されて、南側から北側へ行くにも便利です。駅前の「におどり公園」で「真夏のJazz"グルメフェスタ」のような新しいイベントも開かれるようになりました。
――三郷市の子育て環境についてはいかがですか?
工藤さん:私たちは公営に先駆けて、14年ぐらい前から未就園児とお母さんを対象にした子育てひろば「プチじょんのび」を続けてきましたが、今では8つの行政区に一つずつ公営の子育てひろばができて、集いのひろばと合わせると9つものひろばがあります。歩いて行ける距離に、気軽に集まることのできる無料の場所が増えたことは、お母さんたちにとってよかったなと思います。お母さんたちはそこでお友達を作って、一緒にあちこちのひろばへ行かれているようです。児童館は3カ所ありますし、保育園も増えています。
子育てひろばや生きがい講座など幅広い活動を展開
――お話にあった「プチじょんのび」はどのような内容ですか?
工藤さん:「じょんのび」は新潟弁で「ゆっくり」とか「ゆったり」といった意味。月約3回、「ピアラシティ」で開いています。講師のリードで、手遊びやわらべ歌、リズム体操、集団遊びをし、ママトークとランチを挟んで読み聞かせで終わります。口コミでお友達を誘ってくるお母さんが多く、20組ぐらいの親子が集まります。赤ちゃんを預かってもらえるので、兄弟を連れてきた場合、上のお子さんはお母さんに甘えられるし、お母さんものんびりできます。ランチにはお弁当も一緒に食べるので、お母さんたちが和気あいあいとなりますね。
――その他、最近の主な活動についても教えてください。
工藤さん:多世代交流に取り組もうと、おととしぐらいからは月2回の「生きがい講座」も始めました。お年寄りに絵本を拡大模写した布芝居を作ってもらい、市内の幼稚園や保育園へ出掛けていって、布芝居を使った読み聞かせやわらべ歌、手遊びをします。
西脇さん:年1回の活動である、東和東地区文化センターでの「子育てフェスタ」では、さまざまな団体が遊びのブースを設けます。会場が「三郷中央」駅に近いので、昨年は900人がみえました。より多くの人に地域活動に関心を持ってもらえるように、今年はフリーマーケットのブースを増やす予定です。
――子どもたちと接するときに大切にされているのはどんなことですか?
工藤さん:子どもの意見を尊重して十分聞きながら、常に子どもの目線に立って考えてあげる。それはずっとやってきましたし、これからも大切にしていきます。子どもたちがいつもニコニコして、自分を表現し、心を開放できる場所があった方がいい。緩急をつけられる場所、開放したい気持ちを受け止められるような場所が必要だと思っています。
※記事内容は2017(平成29)年7月時点の情報で、今後変更となる場合がございます。
記事内でご紹介したスポット
- ・戸ヶ崎香取神社
- ・三郷インターチェンジ
- ・新三郷駅
- ・三郷中央駅
- ・ピアラシティ
- ・東和東地区文化センター
- ・三郷市文化会館
- ・早稲田公園
- ・みさと公園
- 三郷市戸ケ崎2-38-1
- 三郷市彦江3
- 三郷市新三郷ららシティ2
- 三郷市中央1-1
- 三郷市ピアラシティ1-1-1
- 三郷市新和3-261-2
- 三郷市早稲田5-4-1
- 三郷市早稲田4-4
- 三郷市高州3