地域の方が語る、まちの魅力 ~川口市~
地域密着を大切にしながら、自分が見てきたヨーロッパのお菓子文化の魅力を伝えていく
~今回、お話しいただいた方~
「パティスリーショコラトリー シャンドワゾー」シェフパティシエ 村山太一さん
埼玉県大宮市生まれ。浦和の名店「アカシエ」など県内の洋菓子店に勤務した後、チョコレートの本場であるベルギーへ渡り、老舗ショコラトリーで経験を積む。帰国後の2010年、川口市に「パティスリーショコラトリー シャンドワゾー」をオープン。
この街の魅力、おすすめのポイントは?
村山さん:物価が安い気がしますね。野菜やお肉といった食材やお弁当でも、安いお店が多いので生活しやすい。商店の数も多いから、東京と変わらない生活ができると思います。それでいて、都心へ出たい時はパッと行ける。車でも、この辺は道路が広く、どのお店にも駐車場があるので、買い物やレジャーに出かけやすい。高速道路の入り口も近いので、郊外や地方へ出掛けるにも便利です。都会の便利さがありながら、休日の楽しみを満喫できます。僕も家族がいますが、休日に家族で出かけるのに、ピクニックへ行こうとか、バーベキューに行こうとか、山や川に行こうとか、都内より選択肢の幅が広い。ライフスタイルに合わせて、休日をいろいろとアレンジできるのが魅力ですね。
村山さん:お気に入りのスポットは、近くにある商店街、「樹モール」です。
チェーン店もありますが、長年商売をされてきた方たちが昔ながらの個人商店を構えていて、にぎやかだし人出も多い。何度も通っていると、お店の人がおまけしてくれたり(笑)。飲食店が多くて、スーパーもあれば、カフェもある。商店街は通りを渡ってこちら側まで伸びていて、お肉屋さんの店頭で煮込みを売っていたりする。僕も商売人だけど、お付き合いだけでなく、見ていて面白い通りです。
お気に入りは、「丸草一福」という老舗のお煎餅屋さん。細長いお煎餅に一枚一枚海苔を手巻きで巻きつけているようなお店で、すごくおいしくて人情味があります。
休日はよく、家族で「イオンモール川口前川」に行きます。食事をするところも多いし、子どもの洋服を買ったり、子どもが遊べるアミューズメント・パークもあったりと、家族みんなで楽しめます。個人的には、「キュポ・ラ」にある「川口市立中央図書館」は、蔵書量が多いしお菓子関連の書籍も多数有るので、ふらっと立ち寄ってアイデアを探したりすることもあります。あと、「樹モール」の真ん中ぐらいにある水の流れる公園は、意外と広々として静か。家族がよく散歩に行っています。
ヨーロッパのお菓子文化の魅力を川口から発信
――埼玉ご出身とのことですが、川口エリアでの変化、移り変わりを感じることはありますか?
村山さん:川口は昔、鋳物工場のある街として知られていましたが、以前あった大型の工場が減り、その跡地にタワーマンションが建つことで、駅周辺の人口密度が急激に増えたと聞いています。このお店も、以前は、ねじやボルトなどを扱う会社の倉庫でした。最近は、樹モール周辺でも再開発の計画があり、街が移り変わってきている、さらに新しくなっていく、という印象があります。都心へ移動するのにとても便利な場所ので、住みたい方が多いというのが、再開発される一番の理由ではないでしょうか。
――お店の歴史について教えてください。
村山さん:地域密着を大切にしながら、ヨーロッパのお菓子文化の魅力を伝えていこうと2010年にオープンしました。遠方から訪ねてきてくださるお客様も多いですが、一番多いのはやはり地元のお客様です。
――浦和の人気店で勤務されていたそうですが、川口市にお店を構えた理由は何でしょうか。
村山さん:ここ川口市はJRや東武線といった沿線が都内へ伸びていて、都心に通勤している方が多いエリアです。そういった方たちは都内のデパ地下のケーキに触れる機会が多いためモノの価値がわかってくださり、県内の相場にしたらやや高い価格設定でも、割安感を感じてもらえるのではないかと思いました。
上質の材料に手間をかけシンプルな美味しさを追求
――目移りしてしまうほど鮮やかなお菓子が並んでいますが、母の日には、食用花をあしらった美しいケーキもお目見えしたそうですね。お客様の反応はいかがでしたか?
村山さん:食用花を飾ったケーキは毎年、母の日やホワイトデーといったイベントに合わせて作っています。お客様にとってもインパクトがあるみたいです。地元ということでいえば、パンの売れ行きがすごくいいです。特に食パンは午前中で売り切れてしまう時があるほどの人気です。リピートされる方が非常に多く、毎週必ず予約される方もいます。
――お菓子を作るときに、大切にされていることを教えてください!
村山さん:「わかりやすさ」を大切にしています。僕はオレンジのケーキだったら、すぐにオレンジとわかるような味のケーキとか、シンプルでわかりやすいお菓子が作りたい。直球の美味しさ、誰が食べても素直に美味しいと思える方向性を大事にしています。
――今後の展望について、お聞かせください。
村山さん:この8月に、「樹モール」から少し入った所に、アイスクリームやショコラの専門店を構える予定です。ショップに加え、喫茶スペースをゆったり広めにとって、休憩していってもらえるような場所を作りたいですね。
地域の方たちにヨーロッパ食文化の魅力を伝えていきたい
――街をこうしていきたい、やってみたい取り組みなどありますでしょうか。
村山さん:地域の子どもたちや親子を対象にしたお菓子教室といった、地域で開催されているワークショップ的なイベントを開けたらいいですね。質の良いお菓子を提供していきながら、ヨーロッパの食文化の素晴らしさを知るきっかけのひとつになれたら嬉しいと思います。新しいお店も、幼稚園の帰りに親子連れで立ち寄ってアイスを買って行ってもらえるような、地域の方たちが気軽に休憩していってくれるようなお店にしたいです。
※記事内容は2017(平成29)年6月時点の情報で、今後変更となる場合がございます。
記事内でご紹介したスポット
- ・樹モール
- ・丸草一福 川口店
- ・イオンモール川口前川
- ・川口市立中央図書館
- ・樹モール コミュニティプラザ
- 川口市栄町3-13-2
- 川口市栄町3-11-21
- 川口市前川1-1-11
- 川口市川口1-1-1 キュポ・ラ本館5・6階
- 川口市栄町3-3-8